『ダンダダン』第1話考察|めちゃくちゃなのに面白い理由はモモとオカルンにある
大好きなものを全部混ぜて食べたら、本当に美味しいと思いますか。僕は、たぶん思わないです。カレーもラーメンも寿司もケーキも好きだけど、全部を同じ皿に乗せたら、さすがに味が迷子になる。好きなものを集めたはずなのに、どれの味もちゃんと届かなくなる気がするんです。
では、大好きなネタを全部混ぜ合わせた漫画は面白いのか。『ダンダダン』第1話を読んだとき、僕はまずそこに驚きました。学園、ラブコメ、宇宙人、妖怪、念力、呪い、攻めたギャグ、そして高倉健。これまで見たことがないくらいのごちゃ混ぜ設定なのに、読み終わると不思議なくらい一体感があるんです。
最初に思ったのは、モモが可愛くて男前だということでした。曲がったことが嫌いで、口は強いけど、目の前で雑に扱われているオカルンを見過ごさない。こういう子、普通に友達になりたい。そこに、誰にも相手にされず、本を読む音で孤独から逃げようとしているようなオカルンが絡んでくる。この2人が意地を張り合うところが、もうかわゆしなんです。
この記事では、『ダンダダン』第1話「それって恋のはじまりじゃんよ」の流れを追いながら、僕がどこで笑い、どこで引っかかり、なぜ最後に「次も読みたい」と思ったのかを考察していきます。結論から言うと、第1話がめちゃくちゃなのに面白い理由は、派手な設定の量ではなく、男前なモモと孤独だったオカルンの出会いが、全部の中心にあるからです。
『ダンダダン』第1話のあらすじと考察|ごちゃ混ぜなのに一体感がある理由

『ダンダダン』第1話は、冷静に説明しようとするとかなり大変です。失恋したギャルがいて、宇宙人を信じるオカルト少年がいて、幽霊と宇宙人の存在をめぐって言い合いになり、そのあと宇宙人と妖怪が同時に出てくる。さらに念力まで飛び出す。普通なら、読者の感情がどこを見ればいいのか分からなくなってもおかしくありません。
でも、僕は置いていかれませんでした。むしろ、話が進むほど「なんだこれ」と思いながら、モモとオカルンのことだけはちゃんと追えていたんです。第1話のすごいところは、設定が多いことではなく、その設定が全部、2人を出会わせる方向に走っているところだと思います。
モモは幽霊を信じているけれど、宇宙人は信じていません。オカルンは宇宙人を信じているけれど、幽霊は信じていません。お互いに、自分の信じているものは譲らないのに、相手の信じているものは否定する。この噛み合わなさが、まず第1話のエンジンになっています。
そして2人は、互いの主張を確かめるために別々の場所へ向かいます。モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。この時点で、もう仕掛けがうまいんですよね。2人とも、自分が信じていないものの場所へ行かされる。だからこのあと起きる怪異は、ただのびっくり展開ではなく、2人の常識を壊す出来事になります。
初めて読んだとき、僕はかなり本気で「天才が出てきたな」と思いました。学園ラブコメみたいに始まって、宇宙人と妖怪を同時にぶち込み、念力まで重ねてくる。それなのに、読み終わるとちゃんとモモとオカルンの出会いの話として残る。この一体感が、第1話のいちばんすごいところです。
第1話のモモは、可愛くて男前だから一気に好きになる

第1話のモモを見て、僕が最初に思ったのは「この子、友達になりたいな」でした。可愛いのに男前で、口は強いけど、曲がったことが嫌い。高倉健が好きなギャルという設定も、ただのネタではなく、モモのまっすぐさとちゃんとつながっている気がしました。
モモは失恋直後です。理想の「高倉健みたいな男」と現実の男のズレに傷ついて、気持ちがかなり荒れている。そんな状態なら、自分のことで手一杯になってもおかしくありません。けれどモモは、教室でいじめられているオカルンを見て、そのまま通り過ぎませんでした。
僕はこの場面を、単なる「ヒロインの優しさ」としては見られませんでした。モモは余裕たっぷりの正義感で動いたわけではないと思います。自分も傷ついているのに、目の前で雑に扱われている人を放っておけなかった。そこに、モモの男前さが出ています。
しかも、助けたあとにオカルンを全部受け入れるわけでもありません。オカルンが宇宙人の話をすれば、モモは普通に反発します。ここがまた良いんですよね。モモは何でも優しく包み込む聖人ではなく、自分の信じているものと信じていないものがはっきりある子です。
だからモモとオカルンの会話は、最初からきれいには噛み合いません。むしろ、かなり子どもっぽく意地を張り合っている。でもそのやり取りがかわいい。助けるけど、譲らない。気になるけど、素直にはならない。第1話のモモは、この不器用な勢いだけで一気に好きになれるキャラでした。
オカルンの孤独が、モモとの出会いをただのギャグにしない

オカルンは、宇宙人を信じている少年です。最初は変なやつに見えます。話し方も不器用だし、空気に馴染むタイプでもない。でも僕は、オカルンをただのギャグキャラとして笑って終われませんでした。
特に引っかかったのは、誰にも相手にされない時間を、本を読む音で埋めようとしているように感じたところです。ページをめくる音の中に逃げて、周りの声から少しでも自分を守っているように見えた。宇宙人の話も、ただの趣味というより、誰かとつながるための細い糸だったんじゃないかと思います。
自分の好きなものを話したい。でも、話せる相手がいない。話したとしても、変なやつとして扱われる。これ、けっこう刺さるんです。好きなものがあるのに、それを出した瞬間に距離を取られる感じ。オカルンの孤独は、宇宙人という派手な言葉の裏に、かなり静かに置かれているように感じました。
だからこそ、モモが自分を助けてくれたあと、あれだけ積極的に絡みにいけるオカルンが、僕は少し羨ましかったです。普通なら、助けられても距離を取って終わるかもしれない。けれどオカルンは、モモに話しかける。自分の信じているものをぶつける。あの不器用な前のめりさに、孤独だった人間がようやく誰かに手を伸ばした感じがありました。
モモはオカルンの宇宙人話を信じたわけではありません。むしろ否定します。でも、無視しなかった。笑って終わらせなかった。ちゃんと反応した。オカルンにとっては、それだけで大事件だったと思います。誰にも届かなかった話に、初めて返事が来た。たとえそれが反論でも、彼にとっては会話になったんです。
ターボババアとセルポ星人が出ても、話が散らからない理由

モモとオカルンが別々の場所へ向かってから、第1話は一気にハチャメチャになります。モモは宇宙人を信じていないのにUFOスポットへ行き、オカルンは幽霊を信じていないのに心霊スポットへ行く。そして2人は、それぞれ自分が否定していたものに遭遇してしまう。
モモはセルポ星人に襲われ、オカルンはターボババアに追われます。学園、ラブコメ調の展開に、宇宙人と妖怪が同時に出てくるだけでもびっくりなのに、そこに念力まで重なる。普通なら「さすがに盛りすぎでしょ」と思うところです。
でも『ダンダダン』第1話は、盛りすぎなのに不思議と気持ち悪くならない。僕がそう感じたのは、怪異がただのインパクト要員ではなく、モモとオカルンの常識を直接壊しに来ているからです。モモは「宇宙人なんていない」と思っていたのに、宇宙人に現実を殴られる。オカルンは「幽霊なんていない」と思っていたのに、幽霊に追い回される。
怖いのは、怪異の見た目や勢いだけではありません。自分が信じていなかったものに、自分の世界をひっくり返されることです。しかも、それが2人同時に起きる。だから第1話の怪異は、ただ画面を派手にするためのものではなく、モモとオカルンを同じ異常の中へ引きずり込む力になっています。
ここまで来ると、最初はバラバラに見えた素材が、全部ひとつの方向へ流れ始めます。宇宙人も、妖怪も、念力も、呪いも、攻めたギャグも、ただ好き勝手に暴れているわけではない。全部が、モモとオカルンを「もう無関係ではいられない相手」にしていくために動いているんです。
ごちゃ混ぜなのに一体感がある理由は、ここにあると思います。設定が多いから面白いのではなく、その設定が全部、2人の距離を変えるために働いている。だから第1話は、ハチャメチャなのに読後感が散らばりません。
第1話ラストの高倉健ネタが“恋のはじまり”に変わる瞬間

第1話で一番持っていかれたのは、オカルンの本名が高倉健だと分かって、モモが一気に持っていかれそうになるところです。あれ、ずるいですよね。ここまで宇宙人だ妖怪だ念力だと暴れ回っておいて、最後に名前ひとつで恋の空気まで持っていくんですから。
第1話タイトルは「それって恋のはじまりじゃんよ」です。ただ、僕はこの時点でモモとオカルンが完全に恋に落ちたとは思っていません。恋人としての感情が完成したというより、もう無関係には戻れない距離に入った、という感じです。
モモにとって、オカルンは最初「オカルト好きの変な同級生」だったはずです。でも本名が高倉健だと分かった瞬間、その印象が少し変わる。しかも高倉健は、モモが理想としていた男の名前と重なっている。ギャグみたいなのに、ちゃんとキュンに変わる。この切り替えのセンスが、本当にずるい。
ここまでハチャメチャな展開で笑わせておいて、最後に高倉健でキュンまで持っていく。ずるいったらありゃしない。けれど、そのずるさが嫌じゃないんです。怖い、笑える、変、可愛い、男前、孤独、キュン。全部を持っていくのに、最後には「この2人、ここからどうなるんだろう」と素直に思わせてくる。
第1話を読み終わったあとに残ったのは、ターボババアの怖さだけでも、セルポ星人の気持ち悪さだけでもありませんでした。モモが可愛くて男前だったこと。オカルンの孤独に少し共感したこと。そして、最後に高倉健でまた持っていかれたこと。その全部が一緒になって、「次も読みたい」という気持ちになったんです。
だから僕は、『ダンダダン』第1話がめちゃくちゃなのに面白い理由は、モモとオカルンにあると思っています。モモがオカルンを見つけ、オカルンがモモに手を伸ばし、怪異が2人を同じ場所へ押し出す。好きなネタを全部混ぜたような回なのに、最後にちゃんと味が残る。その味の中心にいたのが、この2人でした。
FAQ|『ダンダダン』第1話考察のよくある疑問
Q1. 『ダンダダン』第1話のあらすじは?
A. モモとオカルンが出会い、幽霊と宇宙人をめぐる口論から、それぞれUFOスポットと心霊スポットへ向かう回です。モモは宇宙人を信じておらず、オカルンは幽霊を信じていないため、2人とも自分の常識を壊される体験をします。
Q2. 『ダンダダン』第1話はなぜ面白い?
A. 学園、ラブコメ、宇宙人、妖怪、念力、高倉健というごちゃ混ぜの要素がありながら、最後にはモモとオカルンの出会いの話として残るからです。派手な設定よりも、2人の感情が中心にあるところに第1話の面白さがあります。
Q3. モモはなぜオカルンを助けた?
A. 第1話の時点では、恋愛感情というより、目の前でいじめられている人を放っておけなかった行動として見るのが近いと思います。失恋直後でも、曲がったことを見過ごせないところに、モモの男前さがあります。
Q4. オカルンはなぜモモに心を開いた?
A. モモが自分を助けてくれたことに加えて、自分の話に真正面から反応してくれた相手だったからだと思います。たとえ反論でも、オカルンにとっては、自分の世界に返事が来たことが大きかったはずです。
Q5. 第1話の時点でモモとオカルンは恋に落ちた?
A. 第1話の時点で完全に恋に落ちたとは言い切れません。ただ、第1話タイトル「それって恋のはじまりじゃんよ」が示すように、恋が始まる前の条件はすでに置かれています。特にオカルンの本名が高倉健だと分かる場面は、モモの中で空気が変わる大きな瞬間です。
あわせて読みたい泣ける漫画記事
『ダンダダン』第1話で、モモとオカルンの感情が気になった人は、読後にしばらく戻ってこられなくなる漫画記事も置いておきます。笑える漫画もいいけれど、心をぐっと掴まれる作品を読みたい夜もありますからね。
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筆者である僕は、漫画やアニメを「設定の面白さ」だけではなく、読んだあとに残った感情を起点に考察しています。この記事では公式解釈を断定するのではなく、『ダンダダン』第1話を読んだときに僕が引っかかった感想と、場面から読んだ考察をまとめています。
参考情報
この記事では、公式で確認できる第1話タイトル、モモとオカルンの設定、第1話のあらすじ情報をもとに、僕自身の感想と考察を加えています。公式情報と考察部分は分けて扱っています。



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