テレビアニメの2期が始まって、またタイムラインが賑やかになってきた阿賀沢紅茶先生の『正反対な君と僕』。
コミックス全8巻で、惜しまれつつも物語がひと区切りついた。
普段から少年誌だけでなく女性誌や青年誌、果てはオカルト系までジャンル問わず読み漁っている私だが、この作品に出会ったのはジャンプ+のアプリをインストールしたときだった。
人気作として紹介されているのを見かけて、なんとなく読み始めたら最後、気付けば最新話まで一気にスクロールする手が止まらなくなっていた。
特に第1話のインパクトが忘れられない。ギャル気質な鈴木の内面がものすごく繊細に描かれていて、「おやっ、これは普通のジャンプの漫画じゃないぞ」と直感した。
中身は完全に少女漫画のそれなのに、絵のタッチやテンポ感には少年誌らしいキャッチーさがあって、とにかくスルスルと読めてしまう不思議な感覚だった。
物語は1話目からいきなり告白して付き合うところまで爆速で進む。正直、最初は「え、もう付き合っちゃうの? ここから先、一体何を描くんだろう……」と少し不安になった。
ラブコメって付き合うまでの両片想い期が一番盛り上がるものだし、すぐネタ切れになるんじゃないか、と思ったのだ。
しかし、その予想は数話を読んだあたりで完全に覆された。
この作品の面白さは、付き合ったあとに始まる。正反対な2人の不器用なすれ違いや、お互いの価値観をすり合わせながら少しずつ変わっていく「成長」をじっくり見守ることにこそ、この漫画の本当の楽しさが詰まっていると気付かされた。
少年誌の妄想全開ラブコメに慣れた読者ほど、この「リアルな女性目線」に驚くはず
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はっきり言って、本作はこれまでの少年漫画のラブコメとは中身の作りがガラッと違っている。
従来の少年誌によくある男性目線のラブコメといえば、男の子にとって都合の良い女の子が都合の良いタイミングで現れる、妄想全開の展開が少なくない。
それはそれでファンタジーとして楽しいのだけれど、『正反対な君と僕』の根底にあるのは、もっと生々しくてリアルな女性目線の心理描写だ。
だからこそ、これまで少女漫画に触れたことがない人や、少女漫画特有のノリにちょっと抵抗感があった男性読者は、最初は「お、おう……」と戸惑ったかもしれない。
けれど本作は、その心理的な壁をいつの間にか無くして、少年漫画の読者層に新しい形のラブコメとしてすんなり受け入れられた。
過度なお色気やテンプレ的な萌え要素に頼るのではなく、登場人物たちが格好つけずに本音を言葉にし、人間関係を丁寧に擦り合わせていく。
たぶん私は、そこに一番やられたのだと思う。派手な事件が起きるわけじゃないのに、気付くと次の話を読んでしまうのだ。
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本作が「良い意味でジャンプっぽくない」と多方面で評価される理由や、読者が『人間関係の教科書』として深くハマっていく心理については、過去の記事でもさらに熱く考察しているので、ぜひ合わせて覗いてみてほしい。
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少年誌と少女漫画のラブコメの違い(AI作成)
原作・アニメを追うなら公式リンクも置いておく
コミックスは全8巻で綺麗にまとまっているけれど、リアルタイムの熱気はアニメ2期のおかげでまだまだ現在進行形だ。
原作の読み返しやアニメの放送スケジュールなんかは、こちらの公式ページからいつでもチェックできるようになっている。
未読の男性読者こそ要注意!完結後に待ち受ける「君僕ロス」の恐怖
『正反対な君と僕』が完結した時のメッセージ(AI作成)
実は、ここまで偉そうに語ってきた私自身、まだ最終巻までのすべてを読み終えているわけではない。
一話一話を噛み締めながら、あえて勿体ぶって、大事に大事に読み進めている最中だ。
ただ、結末をすべて見届ける前であっても、これだけは確信している。
この作品でしか味わえない「対話の温かさ」や「優しい空気感」を覚えてしまった男性読者は、読み終えた瞬間に深刻な「君僕ロス」で確実にのたうち回ることになる。
だって、少年誌でこれほど泥臭く、かつ男でも共感できる丁寧な人間ドラマを描いたラブコメなんて、そうそう見当たらない。
この寂しさを埋めるためには、次からは勇気を出して少女漫画の棚を開拓しにいくしかないんじゃないか、とすら真面目に考えている。
この全8巻が残したインパクトは、それくらい重くて強い。
アニメ2期で鈴木と谷くんの動く姿を堪能しつつ、この名作が辿り着くハッピーエンドを、ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。
私もロスを覚悟のうえで、最後まで大切に見届けるつもりだ。


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