東京リベンジャーズ天竺編でタケミチがタイムリープした理由|東卍のトップを目指した意味

映像考察

『東京リベンジャーズ』天竺編は、タケミチが「東卍のトップになる」と宣言する場面からはじまります。

無茶です。どう考えても無茶です。

タケミチはマイキーみたいに喧嘩が強いわけじゃない。ドラケンみたいに、そこにいるだけで場を締める迫力もない。聖夜決戦編でも、大寿に勝ったというより、倒されても教会から逃げなかっただけです。

そんなタケミチが、なぜ東卍のトップになると言ったのか。

でも、聖夜決戦後の現代を見たあとだと、その言葉を笑えなくなるんですよね。東卍のトップは全員死亡し、容疑者はマイキー。ヒナも救えない。タケミチが見たのは、マイキーが誰にも届かない場所へ行ってしまった未来でした。

僕は、タケミチの「東卍のトップになる」宣言を、マイキーの場所を奪うための言葉としてはみていません。

むしろ、マイキーの背中に手を伸ばす言葉だったんじゃないか。

先にざっくり言うと
天竺編でタケミチがタイムリープした理由は、ヒナを救うためだけではありません。聖夜決戦後の現代で、マイキーがすべてを背負って壊れていく未来を見たからです。タケミチが東卍のトップになろうとしたのは、マイキーを否定するためではなく、マイキーが一人で持ってきたものを、自分も少しでも持つためだったと僕は受け取りました。

この記事では、アニメ第3期「天竺編」と原作14〜22巻前後の流れをもとに、タケミチがなぜタイムリープし、なぜ東卍のトップになろうとしたのか。そして、その手はマイキーに届いたのかを追っていきます。

※筆者は原作最終巻まで読了し、アニメ第1期・聖夜決戦編・天竺編を視聴済みです。この記事では、公式情報で確認できる内容と、僕自身の感想・考察を分けて書いています。

※この記事は、アニメ第3期「天竺編」と原作14〜22巻前後の内容に触れます。天竺編後の未来にも触れるため、未視聴・未読の方はご注意ください。

天竺編のタイムリープは、稀咲を追い出した後の最悪の未来から始まる

タイムリープで最悪の未来を見たタケミチが、過去へ手を伸ばすように立つ場面

聖夜決戦編のあと、タケミチは未来に戻ります。

ここ、僕は少し期待していました。八戒が大寿に復讐する過去は変えた。柚葉が一人で抱えていたものも表に出た。稀咲も東卍から除名された。

あの教会でタケミチが倒れながら踏ん張った意味が、ようやく現代にも届くんじゃないか。そう思ってページを進めたんです。

でも、戻った未来はまったく甘くありません。

東卍のトップは全員死亡。容疑者はマイキー。ヒナも救えない。

こんなに報われないって、かわいそうです。

ドラケンを救った。血のハロウィンを変えた。聖夜決戦でも未来を動かした。それなのに、現代へ戻った瞬間、タケミチの前にはさらに大きな地獄が置かれている。

もちろん、タケミチの努力が無駄だったとは思いません。実際に救えた人はいるし、変わった出来事もある。そこをなかったことにはしたくない。

でも、あの未来を見た時点で、タケミチはもうヒナだけを見て戻るわけにはいかなかったと思います。

ヒナはまだ救えない。しかも、壊れた東卍の中心にマイキーの名前がある。

タケミチが変えなきゃいけない未来は、ここで一気に広がりました。

ヒナを救う。

それと同時に、マイキーが誰にも届かない場所へ行ってしまう未来も止める。

この現代を見たあとで「東卍のトップになる」という言葉へ進むから、あの決意はただの勢いでは読めなくなるんです。

「東卍のトップになる」は、救いにも危うさにも聞こえた

東卍の仲間たちを前に、タケミチがマイキーの背中を見つめる夜の場面

タケミチが「東卍のトップになる」と言う場面は、初読だとかなり大きく聞こえました。

マイキーがいる東卍で、タケミチがトップになる。普通に聞けば、マイキーの場所に踏み込む言葉です。僕も最初は少し置いていかれました。

しかも、ここは少し怖いところでもあります。

タケミチはマイキーを助けたい。そこは分かる。でも「助けたい」と言いながら、マイキーが立っていた場所へ自分が入ろうとしている。これって、優しさだけで片づけると少し軽くなる気がしたんです。

ただ、聖夜決戦後の現代を見たあとだと、その危うさごと飲み込まないといけなくなる。

タケミチは、マイキーを嫌いになったわけじゃない。頼りないと思ったわけでもない。むしろ、マイキーが強すぎたからこそ、東卍はずっとマイキーを中心に回ってきました。

マイキーが来れば何とかなる。マイキーがいれば負けない。マイキーなら東卍を守ってくれる。

読んでいるこっちも、何度もそう思わされました。マイキーが現れた瞬間、場の空気が変わる。ページをめくる手の緊張が少し緩む。あれはもう、ただの喧嘩の強さじゃないです。

でも、強い人が傷つかないわけじゃないんですよね。

真一郎を失い、場地を失い、それでもマイキーは東卍の真ん中に立ち続けました。仲間たちの前では総長でいなければならない。弱さを見せる前に、みんながマイキーを見上げてしまう。

僕も、初読では少し見落としていました。

マイキーは強いから大丈夫。どこかでそう思っていたんです。

でも、東卍のトップが亡くなり、マイキーが容疑者になる未来を見せられると、その読み方では済まなくなる。

ここで、あの「東卍のトップになる」が違って見えました。

マイキーをどかす言葉じゃない。マイキーが一人で持っていたものに、タケミチが手を伸ばす言葉です。

タケミチは喧嘩でマイキーに並べません。総長としての迫力も違いすぎる。たぶん本人が一番分かっています。

それでも言った。

東卍のトップになる、と。

最初は大げさに聞こえました。でも読み返すと、かなり切羽詰まった言葉だったと思います。マイキーだけに背負わせた未来が壊れた。だったら、自分も背負う側へ行くしかない。似合っていなくても、力が足りなくても、そこに立たなければまた同じ未来へ行ってしまう。

僕はここを、タケミチなりの反抗として読みました。

マイキーを一人で立たせ続けた未来への、反抗です。

マイキーがいない天竺戦で、タケミチは東卍を止めなかった

天竺戦で傷だらけになりながらも、東卍の前に立ち続けるタケミチ

過去へ戻ったタケミチに、準備する時間はほとんどありません。

横浜天竺が動き出し、東卍は一気に巻き込まれていきます。黒川イザナ、鶴蝶、天竺の幹部たち。聖夜決戦編の柴家とは違って、今回は東卍そのものが外側から潰されていく感じがあります。

しかも、天竺編ではマイキーが戦場に立てない状態になります。

これが本当にきつい。

東卍にとって、マイキーがいないことは「総長不在」だけでは終わりません。マイキーが来れば場が変わる、という最後の期待を置けないんです。あの小さな背中が見えない。その不安が、天竺戦にはずっとあります。

ここで、タケミチの決意は口だけでは済まなくなります。

東卍のトップになると言ったなら、マイキーがいない場面で前に出なければいけない。けれど、タケミチは急に強くなったわけではありません。天竺の相手を次々倒して、道を開けるタイプでもない。

天竺戦で僕が特に覚えているのは、鶴蝶に一方的に殴られても、タケミチが立ち続けるところです。千冬が止めようとしても、そこで終わらない。幼なじみの鶴蝶に言葉をぶつけながら、ボロボロのまま前に残る。

その後、稀咲に銃口を向けられる場面でも、タケミチは完全には折れません。普通なら、足が止まる。怖いに決まっている。でも、あそこで引いたら東卍ごと止まる。そういう場面に見えました。

僕はここで、聖夜決戦編の教会を思い出しました。大寿には勝てない。でも逃げない。天竺編でも、タケミチは同じ種類の強さを出しています。

タケミチをマイキーの代役として読むと、少しズレる気がします。敵を圧倒したわけでも、登場しただけで流れをひっくり返したわけでもない。

でも、総長がいない東卍を止めなかった。

殴られても、撃たれそうになっても、東卍が折れそうな場所で前に残った。この「残る」が、タケミチらしいんです。

派手な勝利じゃない。読んでいてスカッとする無双でもない。むしろ痛い。見ていてしんどい。けれど、タケミチがそこにいるから、周りも完全には止まれなくなる。

タケミチがやったことは、すごく地味です。

勝つでもない。場を支配するでもない。ただ、東卍が止まりそうなところに残っていた。

僕はそこを見て、ようやく「東卍のトップになる」という言葉が少し分かった気がしました。

タケミチはマイキーの痛みを全部分かったわけじゃない

傷ついたタケミチがマイキーの痛みに寄り添おうとする静かな夜の場面

タケミチは、マイキーの痛みを全部分かる人ではありません。

真一郎を失ったことも、場地を失ったことも、マイキーの中にある傷です。そこへ簡単に「分かる」と言ったら、むしろ軽くなる。

でも、全部分からないから何もできない、では終わらなかった。

これから先の東卍をどうするか。ヒナをどう救うか。仲間たちをどう未来へ連れていくか。その一部なら、タケミチにも持てるかもしれない。

僕の中で、あの「東卍のトップになる」は少しずつ別の言葉に変わっていきました。

俺にも持たせろ。

ここは少し考えました。マイキーの痛みを分かったふりはできない。でも、分からないまま隣に立つことはできるのかもしれない。天竺編のタケミチは、そこへ踏み込んだんだと思います。

天竺編後の未来で、ヒナは救えたのにマイキーだけがいなかった

ヒナと東卍を救えた未来で、マイキーだけが遠くに残る切ない場面

天竺編のあと、未来は大きく変わります。

天竺との抗争に勝利する。稀咲との因縁に決着がつく。ヒナは、タケミチがタイムリープしていることをマイキーに伝える。そしてマイキーは、東卍を解散します。

東卍解散の場面は、派手ではありません。

でも、かなり重いです。

タケミチが守ろうとしてきた場所を、マイキー自身が終わらせる。マイキーやドラケン、場地、千冬たちがいた東卍を、未来の犯罪組織へつなげないために閉じる。

ここは寂しいです。東卍がなくなるのは寂しい。でも、タケミチが何度も見てきた未来を考えると、ここで終わらせるしかなかったとも思ってしまう。

未来に戻ると、東卍のメンバーは生きています。犯罪に手を染めることなく、それぞれ普通の生活をしている。ヒナも救えた。

ここは、ちゃんと勝利です。

タケミチは何度も現代で打ちのめされて、そのたびに過去へ戻って、また失敗して、それでも手を伸ばしてきました。天竺編後の未来は、その手がようやく届いた未来です。

でも、思ったほど晴れませんでした。

理由ははっきりしています。マイキーだけがそこにいないからです。

梵天の頂点にいるのはマイキー。ヒナも東卍の仲間たちも救えた未来で、マイキーだけが別の場所にいる。

タケミチが天竺編でタイムリープした理由は、ヒナを救うためでした。そこは最後まで変わりません。

でも、それだけでは終われなかった。

聖夜決戦後の現代で見た、マイキーが一人で壊れていく未来。その未来を変えようとして、タケミチは東卍のトップになると決めた。天竺編の結果、ヒナにも東卍の仲間たちにも届いた。

それでも、マイキーにはまだ届いていない。

僕が天竺編を読み終えたあとに残ったのは、「やっと救えた」という安心と、「それでもマイキーがいない」という引っかかりでした。

だからこの章は、ただのハッピーエンドには見えませんでした。

タケミチが次に誰へ手を伸ばすのか。天竺編の最後には、その問いだけが静かに残っているんです。

東京リベンジャーズ天竺編のタイムリープでよくある疑問

天竺編はアニメ何期ですか?

天竺編は、TVアニメ『東京リベンジャーズ』の第3期です。公式情報では、天竺編は全13話で、話数は38話から50話までです。

天竺編は原作何巻ですか?

目安としては、原作14巻から22巻あたりです。聖夜決戦後の現代、天竺との抗争、稀咲との決着、東卍最後の集会までが中心になります。天竺編は一気に未来の意味が変わるので、タケミチのタイムリープ目的を追うなら、この範囲を押さえると読みやすいです。

タケミチはなぜ東卍のトップになろうとしたのですか?

聖夜決戦後の現代で、東卍のトップが全員死亡し、マイキーが容疑者になる未来を見たからです。僕はあの言葉を、タケミチがマイキーの場所を奪おうとした場面ではなく、マイキーだけに背負わせてきたものを自分も持とうとした場面として読んでいます。

天竺編でヒナは救えたのですか?

天竺編後の未来で、タケミチはヒナが生きている未来へ届きます。ここは、タケミチがずっと追いかけてきた場所です。ただ、その未来でマイキーだけが梵天にいる。だから、救えた安心だけでは終われないんですよね。

天竺編のあと、なぜ三天戦争編へ続くのですか?

天竺編後の未来で、ヒナも東卍の仲間たちも救われます。でも、マイキーだけが梵天にいる。あの未来を見たタケミチが、そこで止まれるとは思えません。ヒナは救えた。でもマイキーだけが残っている。だから物語は、三天戦争編へ続いていきます。

天竺編でタケミチがタイムリープした目的は何ですか?

最初の目的はヒナを救うことです。ただ、聖夜決戦後の現代でマイキーが容疑者になる未来を見たことで、タケミチはマイキーが壊れていく未来も変えようとします。僕はここで、天竺編のタイムリープの意味が一段重くなったと読んでいます。

関連記事

参考情報

なお、アニメの話数や原作巻数などの事実情報は公式サイト・講談社の書誌情報を確認し、タケミチやマイキーの心情に関する部分は僕自身の読解として書いています。

※放送情報、配信情報、公式ページの内容は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました