ハイキューの日向にブラジル修行が必要だった理由|ビーチバレーを選んだ意味を考察

漫画レビュー

日向って、なんでブラジルに行ったんだろう。

『ハイキュー!!』を読んでると、ここはやっぱり一回立ち止まるところです。
日本に残ってインドアで経験を積む道だってあったはずなのに、卒業後の日向はブラジルへ行って、しかもビーチバレーを選ぶ。

最初に読んだときは、「おお、海外修行か」くらいの受け取り方もできました。
でも読み返すほど、それだけでは済まない選択に見えてきます。
僕はむしろ、日向ってかなり早い段階から「このままじゃ足りない」と分かっていたキャラなんじゃないかと思っています。
だからブラジル行きも、勢いで飛んだというより、必要だから選んだ道に見えるんです。

今回はそこを、8巻の「後悔と目標」、24巻の合宿潜入、それから42〜43巻のブラジル編をつなげながら考えてみます。

8巻の時点で、日向はもう「足りない自分」を分かっていたと思う

ハイキューの日向翔陽が体育館のベンチで一人考え込む姿

僕がいちばん大きい起点だと思ってるのは、8巻第71話「後悔と目標」です。

青葉城西に負けたあとの日向って、当然まだ未完成なんですよね。
変人速攻はすごい。でも、あれだけで全部どうにかなる段階じゃない。身長もないし、経験も浅いし、技術的にもまだまだこれからの選手です。

それでも日向は、そこから目をそらしてないんです。
「自分はもうできてる」とは全然思ってない。ちゃんと、自分がまだ足りてない側の人間だと分かってる。

ここが大きい。
日向がすごいのって、足りないことに気づかないところじゃない。足りないと分かったうえで、それでも高い目標を見ているところです。

普通は、現実を見たら少し夢を小さくしそうになるじゃないですか。
でも日向はそうならない。
「無理そうだからやめる」じゃなくて、「じゃあ何が要るんだろう」に頭が向いてる。

ここで見えているのは、夢の見方そのものなんですよね。
届くかどうかで目標を決めるんじゃなくて、届くために何が要るかを考える。日向って、もうこの時点でそういう選手だったんだと思います。

合宿潜入って、かなり日向らしい場面だった

ハイキューの日向翔陽が強化合宿の体育館をのぞき込む姿

それが行動ではっきり出るのが、24巻の合宿潜入です。

あそこ、僕は読むたびに「日向ってこういうやつだよな」と思います。
呼ばれてないのに行く。しかも、選手として参加できるわけでもない。それでも、その場にいようとする。

正直、かなり格好悪い動き方でもあるんですよね。
でも日向って、そういう見え方をあまり気にしてない。
悔しいで終わるんじゃなくて、今の自分に必要なものがその場にあるなら、とりあえず行く。

ここ、根性論だけで片づけるのはもったいない場面です。
もちろん気持ちの強さもあるんですけど、それ以上に「学べる場所に自分から行く」っていう動き方がもうできてる。

今いる環境の中だけで何とかしようとしてるんじゃなくて、必要なら外へ出る。
日向って、そういうタイプの選手です。

だから僕は、ブラジル行きもそこまで突飛には見えませんでした。
びっくりはするけど、「でも日向ならやるか」ってなる。
24巻の時点で、もうその片鱗はかなり出ていたと読んでいます。

たぶん大事なのは「ブラジル」より「ビーチ」だった

ハイキューの日向翔陽がブラジルのビーチでボールに飛び込む姿

で、42巻後半から43巻のブラジル編です。

ここを読んでまず引っかかったのは、「海外だからすごい」って話ではあまりないな、ということでした。
もちろんブラジルに行く決断自体は大きいです。けど、本当に大事なのはそこじゃない。

重要なのは、日向がビーチバレーを選んだことです。

ビーチって、かなりごまかしが利かない競技です。
2人しかいないから、誰かに任せっぱなしにしにくいし、守る範囲も広い。
拾って、つないで、相手を見て、返す。全部にずっと関わらないといけない。

これは、当時の日向に必要だったものとかなり噛み合っています。
日向は速さとか跳躍力とか、武器になるものは最初から持っていた。でも一方で、ラリー全体の中で自分がずっと機能し続ける力は、まだ発展途中だったはずです。

レシーブとか、状況判断とか、相手の見方とか。
そういう部分って、インドアの中で経験を積んで伸ばすことももちろんできるんでしょうけど、ビーチのほうがもっとむき出しで問われる。

だから、日向が選んだのがただの海外経験じゃなくてビーチだったことに、僕はかなり納得しました。
ブラジルが先にあったというより、「今の自分を鍛えるなら、この環境だ」と選んだ感じがするんです。

日向って、一直線のキャラに見えて、実はけっこう進み方を変える

ハイキューの日向翔陽がブラジルの街を歩きながら前を見据える姿

日向って、ぱっと見だと一直線に突っ走るタイプに見えるじゃないですか。
でも、ここまで追ってくると、実際はそれだけじゃない。熱さで前に出るキャラではあるけど、進み方そのものはかなり冷静です。

足りていないことに気づいたら、そのまま同じやり方を押し通さない。
今の自分に必要なものを見る。
それを埋めるには、どこに行くべきかを考える。
日向がやっているのは、ずっとこれなんだと思います。

だから、8巻で自分の不足を知って、24巻では学べる場所に自分から入り込んで、42〜43巻では競技環境そのものまで変えていく流れも不自然じゃない。
一直線に見えるのに、成長の仕方は意外なくらい柔軟です。

しかも日向って、長所を伸ばせる場所だけを選んでるわけじゃないんです。むしろ、自分の弱いところが隠せない場所にもちゃんと行く。
ここが強い。勢いで突っ走るだけなら、もっと気持ちいい道を選んでもよかったはずです。でも日向は、届くために要る場所へちゃんと進み直していく。
僕はそこに、このキャラの本当の強さが出ていると思います。

日向にブラジル修行が必要だった理由

ハイキューの日向翔陽と影山飛雄が体育館で向き合う印象的な場面

日向にとってブラジル修行が必要だったのは、オリンピックで勝てる選手になるには、今までと同じ積み上げ方だけでは足りなかったからです。

8巻第71話「後悔と目標」で、日向は自分がまだ足りていないことを分かったうえで、それでも高い目標を見ていました。24巻では、その不足を埋めるために、自分から学べる場所へ入っていく。だから42〜43巻で、ビーチバレーとブラジルを選んだ流れも急には見えません。日向はずっと、足りないなら埋めに行くで動いていたんです。

日向のブラジル行きって、「遠くへ行ったこと」自体がすごいんじゃない。自分に何が足りないのかを分かったうえで、その穴をごまかせない場所を選んだことが強い。今のままじゃ届かないなら、積み上げ方そのものを変える。その判断の先に、ブラジルでのビーチバレーがあったんだと思います。

足りない自分を知って、夢を下げず、その不足をいちばん厳しく鍛えられる環境を選び直した。ブラジル行きは、そのために必要だった進路でした。

夢に向かって真っすぐ生きる姿は、人の目を離さなくする

ハイキューの日向翔陽が試合後に拳を握りしめて立つ姿

日向の進み方って、いつも格好いいわけじゃないんですよね。呼ばれていない合宿に行くのもそうだし、卒業後にインドアの延長ではなくビーチへ行くのも、周りから見れば回り道とか、ちょっと泥臭い選択に映ったはずです。

でも日向は、自分に足りないものから目をそらしませんでした。足りないなら、その不足がちゃんと鍛えられる場所へ行く。夢を下げるんじゃなくて、自分の進み方を変える。ここが強いんだと思います。

夢に向かって真っすぐ生きるって、周りから見たら格好悪く映ることもある。うまくいかない時期もあるし、回り道に見える時期もある。でも、それでも必要な場所を自分で選んで進む姿って、やっぱり目を離せなくなるんです。

僕は、日向のブラジル行きって、まさにそういう進路だったと思っています。ただ派手な選択だったから印象に残るんじゃない。足りない自分を知ったうえで、それでも夢に向かって進む姿が、ちゃんとそこにあったから印象に残るんです。

よくある質問

日向はなぜブラジルへ行ったのですか?

僕は、オリンピックで勝てる選手になるために、当時の日向に足りていなかったものを埋める必要があったからだと考えています。場所の珍しさよりも、必要な経験を取りに行ったことのほうが大きかったはずです。

日向のブラジル修行は何巻で描かれますか?

本格的にブラジルでの修行が描かれる中心は43巻です。流れとしては42巻終盤から追うとつながりやすいです。

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参考情報・出典

※人物の心理やセリフの意味については、作中描写をもとにした筆者の解釈を含みます。

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